生花店と生産者をつなぐ情報誌 蕾vol.31

こだわりの産地へ行こう!増田ばら園(静岡県)

今話題の香りのバラにフォーカス!香るバラしかつくらないこだわりの生産を行っている増田ばら園(静岡県)をご紹介します!

こだわりの産地へ行こう!

増田ばら園(静岡県)

香るばらしかないバラ園

香りにこだわり、栽培品種は全てパフュームローズに限定して生産している増田ばら園。
就農当初は切り花のバラを栽培していましたが、食用バラに挑戦した事がきっかけで、6〜7年前から香りのバラに取り組み始めました。
少しずつ香りの良い品種を増やしていき、現在オリジナル品種を含め12品種を栽培しています。


  • 笑顔が素敵な増田晋太郎さん
  • ハウス内はバラの優しい香りが漂います

育つ土

バラの栽培には、土に植えて育てる土耕栽培と、土の代わりに岩石を焼いてつくったスポンジ状のロックウール栽培があります。
ロックウールは多孔質で保水性に優れ、植物の根に水分と酸素を同時に供給することができ、茎が太く長い見栄えのいいバラができる為、バラ栽培の主流となっています。しかし水と肥料をたっぷり与えて育てることで、根が土耕にくらべるとひ弱になることがあります。

増田ばら園では、食用バラの生産を目指すため、土耕栽培にこだわり、低農薬で育てています。
不要になった葉はハウスに戻し、敷き詰められ、枯れ葉のふかふか絨毯に。葉は土に還り、またバラへの栄養となり吸収されます。
環境に優しい土づくりが、次世代の環境を守る土となり引き継がれます。その土の中を自由に根を伸ばし、最後まで咲ききる力をもつバラへと育ちます。


  • まるで森?のようなハウス内空気も澄んでる気がします
  • 枯れ葉のふかふか絨毯

香るバラ オリジナル品種

育種は、目的にそった形質(色・形・咲きかたなど)をもつ品種を交配と選抜を重ねることで、作り出されます。『香り』という形質がさらに加わることで、さらに育種は難しくなります。
バラの香りは香りの成分の配合バランスによって7つのタイプに分類されます。増田ばら園では、そのうちの6タイプが生産されています!
オリジナル品種


◆Damask Classic ダマスク・クラシック
強い甘さと華やかさやコクを合わせ持ち心を酔わせる香り。バラの古典的な香りで香水にも よく用いられている香り。
  • イントゥリーク


◆Damask Modern ダマスク・モダン
ダマスククラシックの香りを受け継ぎながら、香り立ちは強く、より情熱的で洗練された香り。
  • イヴカルマン
  • イヴペーシュ
  • フレジェ
    『苺の木』というの意味のフランス語。フランス風ショートケーキの意味も
  • フレーズバニーユ
    苺とバニラを使ったフランスのムースのケーキの意味

  • イヴピアッチェ


◆Myrrh ミルラ
ハーブのアニス*に似た香りで、甘くまろやかな香りが特徴。イングリッシュローズに多くみられる香り。
*アニス果(別名アニシード aniseed)香辛料として用いられ、西洋ウイキョウとも言われる。香りの主成分はアネトール。シキミ科の八角(スターアニス)も同じ成分を含むため、似た味と香りをもつ。

  • フェアビアンカ
  • ロゼドリュヌ
    ピンクシャンパンの泡をイメージして。リュヌは月の意味


◆Blue ブルー (ダマスクとティーのミックス)
主としてダマスクモダンの香り成分とティーの香り成分が混在し、他にはない独特な香りを形成。青バラ系の品種特有の香り。
  • ブルーパフューム
  • 夜来香(イエライシャン)


◆Fruity フルーティー
ピーチやアプリコット、アップルなどの新鮮な果実を思わせるさわやかな香り。
  • バニラアイス


◆Tea ティー
マスク系の香りとは全く異なる特有の香り成分を含有しています。香り立ちは中程度ですが、上品で優雅な印象を与えます。市場流通している芳香バラの8割はこの香りです。
  • ジャンヌダルク


香るバラをつくるために

バラは満開になった時に、一番強い香りを放ちます。朝と夜の温度差でも香りが強まったり、気温が高すぎると香りがとんでしまったり、とても繊細。また、香りのバラは湿度に弱いため、特に湿度管理に気を配り栽培しています。


香りは記憶を呼びさます鍵

ふとした香りがきっかけで、その香りと一緒に思い出すことはありませんか?そんな記憶に残る香りを目指して、香りのバリエーションを増やしていきながら、生産面でも効率を上げられるものを作るようにと増田さんは考えています。
今作りたいバラはありますかとお伺いしたところ、『オレンジ色の香りバラ』とのこと。ハウスにはまだ名前のない新しい品種が育っていました。どんな色・香りのバラに仕上がるのか、今からとても楽しみです。


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